こんにちは、きのこ家スタッフのどん子です。
スーパーや八百屋さんでは、必ず野菜コーナーに並んでいる「きのこ」。種類も豊富で一年を通して購入することができ、料理によく使うという方も多いと思うのですが、きのこは厳密には野菜の仲間ではないってご存知でしたか?
8月31日は8(ヤ)3(サ)1(イ)の語呂合わせで「野菜の日」ということで、野菜の日にちなんできのこと野菜の関係についてまとめました。
まず日本においてどのように野菜が定義されているのか調べてみると……
あるものを野菜に分類するか果物に分類するかは、国によっても違い、日本でも生産・流通・消費などの分野で分類の仕方が異なるものもあります。生産分野においては、一般的に次の特性を持つ植物が野菜とされています。
- 田畑に栽培されること(栽培されていない山菜などは野菜と区別することが多い)
- 副食物であること
- 加工を前提としないこと(こんにゃくのような加工を前提とするものは野菜としていない。漬物のように原料形質がはっきり残っているものや家庭における簡易加工は加工に含まない)
- 草本性であること
(農林水産省 ホームページより引用)
もちろんこの定義も絶対ではないようで、例えばスイーツに使われることが多い苺、メロン、スイカなどは分類上は野菜ですが果物として取り扱われ、「果実的野菜」と呼ばれているそうです。
上記の定義をきのこ類にあてはめていくと、実は(4)に書いてある「草本性であること」はあてはまりません。
※草本性…いわゆる草。茎の部分があまり発達せず、ある程度まで育ったら肥大を止めるもの。
では農林水産省以外で一体どこがきのこを管轄しているかというと、「林野庁」です。
特用林産物とは、食用とされる「しいたけ」、「えのきたけ」、「ぶなしめじ」等のきのこ類、樹実類、山菜類等、非食用のうるし、木ろう等の伝統的工芸品原材料及び竹材、桐材、木炭等の森林原野を起源とする生産物のうち一般の木材を除くものの総称です。
(林野庁 ホームページより引用)
分類上は野菜になってもよさそうな「山菜」も、(1)の田畑に栽培されることがあてはまらないことから、林野庁の管轄になるのですね。
野菜コーナーに並んでいるけれど植物ではない……、ではきのこは一体なんなのかというと「菌類」の仲間です。
菌といってもいろんな種類があるのですが、食品でおなじみなのはヨーグルトを作る乳酸菌や、味噌を作る麹菌、パンやワインを作る酵母菌など。
そんな数ある菌類の中でも、私たちが普段食べている「子実体(しじつたい)」とよばれる器官を作るものを「きのこ」と呼んでいます。
私たちがふだん「きのこ」と呼んでいる子実体はきのこの体の一部にすぎず、本体は木の中や地面の中に張りめぐらされている「菌糸」と呼ばれる部分になります。菌糸は気温の変化等で刺激やストレスがかかることで、子孫を作るために子実体を作って胞子を飛ばし、繁殖していきます。
この子実体が肉眼で見えれば「きのこ」と呼んで大丈夫なんだとか。
少しややこしいのですが、生物学的に子実体を作る菌類のを総称を「きのこ」と呼んでおり、私たちが食べる「子実体」そのもののことも「きのこ」と呼んでいるのですね。
スーパーマーケット等では生鮮食品のことを大きく分けて「青果」「鮮魚」「精肉」の3つに分類しているのだそうです。
この「青果」には野菜はもちろん、りんごやブドウなどの果物、フキやウドなどの山菜、そしてシイタケやエリンギなどのきのこ類も含まれているんです。近年ではこの青果に半加工品のカット野菜、カットフルーツ、チルド食品なども加わり、青果の取り扱い範囲はかなり広くなっているのだとか。
行政上の分類では野菜とはいいがたく、生物学的にも全く別物の野菜ときのこですが、生鮮食品としての分類は同じ「青果」。
「きのこは野菜なのか」と聞かれると同じとはいいがたいのですが、「きのこと野菜は仲間なのか」と聞かれると分類方法によっては仲間になりうるという回答になるのではないでしょうか。
というわけで、明日は来るべき野菜の日。
生鮮食品コーナーに並ぶきのこ(青果物ジャンルで野菜の仲間)も、同じ場所にならぶよしみでぜひお買い上げいただければ、いちきのこ生産者としてうれしい限りです。
きのこ家では、岡山県玉野市で無農薬の国産きくらげ&しいたけを製造・販売しています。
栽培したきのこは岡山県内のスーパー各店をはじめ、インターネットからも購入していただけ、商品のご注文は電話からも承ります。
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