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2016年10月04日放送

【ラジオきのこらむ】part.13 キクラゲ×カニ!プロが教える生キクラゲを使った美味しい料理(後編)

今回のラジオきのこらむは、前回(第12回)に引き続き、かに料理専門店「福山甲羅本店」の料理長・小寺敏弘さんに、生キクラゲを使った家庭でできる美味しい料理について教えてもらいました。
今日から作れる、キクラゲを使った美味しいレシピ情報とともにお届けしていきます。

小寺敏弘さんプロフィール

1974年生まれ。
21歳から福山市内の飲食店で研鑽をつみ、2009年4月にケイコーポレーションに入社。かに料理の専門店「福山甲羅本店」(広島県)へ配属される。
2011年に福山甲羅本店副料理長を経て、料理長へ就任。
2013年には甲羅事業部統括料理長に就任。
※甲羅本店は、広島県福山市の店舗に加え、岡山県内に岡山市倉敷市にもお店があります。

料理長の小寺さん(写真中央) 料理長の小寺さん(写真中央)

太田さん(レディオモモのパーソナリティー、以下「太田さん」): 今回も2品のお料理をご紹介していただきます。料理長、どんなメニューをご用意していただいたのでしょうか。

小寺料理長(福山甲羅本店の料理長、以下「小寺料理長」): 「きくらげ蟹スープ」と、「きくらげのかき揚げ」です。

太田さん: メニューを聞いただけでも、カニ、そして生キクラゲを使ったおいしいお料理なんだろうなと、期待が高まってきます。

所長(浅野産業㈱きのこ研究所所長、以下「所長」): 前回同様に、小寺料理長にレシピまで作っていただきました。

きくらげ蟹スープ

太田さん: まず1品目はきくらげ蟹スープですが、お野菜がたっぷり入っていて、大きなキクラゲがのぞいています。料理長、メニューのポイント等はありますか?

小寺料理長: あたたかい中華風スープなのですが、中華の味とキクラゲはすごく相性が良くてですね、そこにさらにカニを入れて、スープにしております。

太田さん: 全ての具材を大き目の細切りにしていまして、もやしにレタスと色合いもキレイです。キクラゲが細切りといっても大きいんですよ。キクラゲに厚みがありますからしっかりとした食べ応えがありそうです。
ちょっとすくっただけでもキクラゲがいくつ入ってくるんだろうという感じで、スープというよりも具材の方が多いような気がします。では、いただきます。

レタスの緑色が鮮やかな、きくらげ蟹スープ。 レタスの緑色が鮮やかな、きくらげ蟹スープ。

太田さん: このシャリシャリとした野菜の音と、キクラゲのコリコリとした感触。ラジオをお聞きの皆さんにも届いていたらいいのですが!

所長: そうですね、この食感と厚みは、やはり召し上がっていただかないと中々お伝えするのは難しいかと思います。

小寺料理長: 浅野産業さんのキクラゲは3年前から使わせていただいているのですが、年々品質が良くなって、厚みもすごくあって、どんどん使いやすくなってきております。

太田さん: 厚みがある、食べ応えがある、なんですけれどもスープにすることでスッと入って来る。やっぱり喉越しの良さというものもあるのかなと思います。

小寺料理長: 今回は食べやすいということで細切りのスープにしましたが、大きく切って作るスープもおいしいと思います。

太田さん: キクラゲ自体には、味はそんなにないんですよね。その分、逆を言えばどんな料理にでも合う。前回サラダなんかにもしていただきましたし、かに玉にも入っていましたけれども、スープにしても主役にはならないようで主役になるというところがキクラゲの魅力かなと、私は思います。

所長: 太田さんがおっしゃったように、きくらげ自体に味はほとんどないわけなんですね。それと、やはり硬さが生の場合だとさほど硬くない。年配の方で、ちょっとかたいものが苦手かなという方にも、このように調理していただくと野菜と共に美味しく召し上がっていただけるのではないかなと思います。

太田さん: そうですね。小さなお子様からお年を召した方まで食べていただけるメニューかなと思いました。

所長: キクラゲのコリコリ感を残すためには、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?

小寺料理長: キクラゲは煮すぎますとどうしても食感がなくなって、やわらかくなりすぎてしまいます。キクラゲを入れて、沸かして、終りというぐらいで火を止めた方が一番美味しいと思います。

太田さん: なるほど!それがこのコリコリ感や、美味しさに繋がってくるわけなんですね。ぜひ参考にしてみてくださいね。

きくらげのかき揚げ

太田さん: 続いては2品目、きくらげのかき揚げということでご用意していただきましたが、もうまたこのキクラゲの存在感がすごいですね。キクラゲに加えて、カニやエビも入っているんですかね。
甲羅さんでもキクラゲの天ぷらを食べる事ができるということなのですが、油との相性もとっても良いんですよね。

小寺料理長: そうですね。何品か試作しましたが油との相性が一番良かったので、店舗では天ぷらに使用しております。

太田さん: 生で食べても美味しいキクラゲということなんですけれども、揚げてみることでどんな感じになるのか、お塩を付けて食べてみたいと思います。

スダチをかけてさっぱりといただく、きくらげのかき揚げ。 スダチをかけてさっぱりといただく、きくらげのかき揚げ。

太田さん: 甘い!甘いですね!

小寺料理長: 玉ねぎや、いろんな食材の甘味が混じって、キクラゲの食感と合うのかなと思います。天ぷらにして出すことで、お客様からもすごく称賛の声をいただいています。

太田さん: 天ぷらには先程のようなコリコリ感はないのですが、歯ごたえが初めて食べる感じですね。キクラゲの天ぷらは珍しいものなのですか?

小寺料理長: そうですね、生のキクラゲが中々手に入らないという状態がありましたので、ここ最近では天ぷらにされる方も多くなっているとは思いますけれども、あまり馴染みはないと思います。

太田さん: お店で出された時には、すぐ皆さんキクラゲとわかったりするものなのですか?

小寺料理長: いえ、そこはやはり説明を一言添えて、「生キクラゲでございます」ということをお伝えしております。

太田さん: 驚きと感動が楽しめますね。

所長: 私も実は2~3年前にお忍びで甲羅さんにお伺いしたことがあり、その時にランチでキクラゲの天ぷらが出て参りました。かき揚げの色合いもカニの赤とキクラゲ黒が映えて、非常に良いと思います。

この秋はキノコ×カニのコラボを楽しもう!

太田さん: 2週にわたりまして様々な料理をご紹介していただいたのですが、やっぱりこの趣のあるお店でいただくというのも美味しさにプラスアルファのエッセンスを加えているのかなと思います。甲羅さんのお店のこだわりやコンセプトを教えていただけますか?

小寺料理長: 甲羅本店では、カニをメインとしたお店作りになっておりますので、ぜひカニをお召し上がりにお越しください。慶事・法事、各種ご宴会にも利用できるように、最大60名様まで利用できる宴会席もございます。ぜひお待ちしております。

太田さん: 料理長のお料理を作る際のこだわり等はございますか?

小寺料理長: カニのお刺身やしゃぶしゃぶを中心として、好評いただいておりますので、カニの鮮度を活かした料理を目指しております。

趣がある落ち着いた内装も、料理の味を引き立ててくれる。 趣がある落ち着いた内装も、料理の味を引き立ててくれる。

太田さん: そしてこの秋からは浅野産業のキクラゲを使った天ぷらも一緒に食べられるということです。福山ももちろんなのですが、岡山県内では岡山市と倉敷市に2店舗ありますので、本当にたくさんの方に足を運んでいただけたらなと思います。

小寺料理長: フェアメニューとしまして、10月からきのこのしゃぶしゃぶをカニと一緒にいただけるように、ご用意しております。

太田さん: やっぱりカニとキノコということで、秋の味覚といいますか、これからがシーズンという食材なので、美味しく食べられるお料理なのかなと思います。様々な料理をご紹介していただいたのですが、どれも表情が違うというか、全然違うものみたいに感じました。

所長: そうですね。やはりプロの料理長さんの手にかかりますと、生キクラゲとカニのベストマッチといいますか、色んな料理になっちゃうんだなぁ、という風に感じましたね。我々も素材には自信をもっているのですが、それをなお一層引き立たせてくれるのが、プロの料理人さんの力というわけですよね。

本日紹介したレシピの作り方

■きくらげ蟹スープ>>こちらから。
■きくらげのかき揚げ>>こちらから。

次回のラジオきのこらむは…

次回のテーマは「美味しいきのこを食べてハッピーになろう」です。食べることと、心の関係等を、特別ゲストをお招きしてお届けしていきます。どうぞお楽しみに。