2015年12月08日放送
いよいよ師走に入り、お正月まであと1ヶ月を切りました。天日干しの椎茸を使って、おせち料理をいっそう美味しくしてみませんか?
お正月に欠かせない「おせち料理」。かつて、季節の変わり目「節句」には、収穫したものを神様にお供えして感謝する風習がありました。この時、神様にお供えした供物が「節供(せっく)」です。
やがて宮中でも節句の行事として「節会(せちえ)」という宴が執り行われるようになります。節句は1年に5回あり、その料理を「お節供(おせちく)」と呼びました。 初めは全ての料理を「お節供」と呼んでいましたが、5つの節句の中でも特に重要なお正月の料理を表す言葉として「お節供」の略の「おせち」という言葉が一般家庭にも広まっていきました。
おせち料理の具材は、それぞれ子孫繁栄や不老長寿等の願いを込めて、様々な食材が詰め込まれています。祝い肴(いわいざかな)三種は特に代表的な料理で、この3つでおせちの形が整うとされています。
祝い肴三種の内容は地方により異なりますが、代表的なものは関東では田作り、黒豆、数の子。関西ではたたきごぼう、黒豆、数の子の3種が挙げられます。
さて、そんなおせち料理に欠かせない料理の1つに、「シイタケの旨煮」があります。かつてはシイタケのカサを陣笠(戦場で下級兵士が兜の代わりにかぶった笠)に見立てて、「陣笠椎茸(じんがさしいたけ)」という料理名で呼ばれていました。 現代では栽培技術が進み、手軽に手に入れることができるようになりましたが、当時シイタケと言えば高級品です。特に旨煮などに使われる「干しシイタケ」は、正月などの「ハレの日」にしか味わえない貴重な食材だったようです。
【材料】干ししいたけ・8枚、砂糖・大さじ2、醤油・小さじ2、みりん・小さじ1、椎茸の戻し汁・200cc
【作り方】干ししいたけを水で一晩戻し、戻し汁200ccと砂糖大さじ2で15分煮る。醤油を小さじ2加えて、煮汁が少なくなるまで5分位煮て、みりん小さじ1で照りを付けてそのまま冷ます。
シイタケが高級品と聞いて驚いた方も多いかと思いますが、それもそのはず。当時の日本では、野山で収穫した天然物の椎茸を加工して乾燥シイタケを作っていました。数少ないシイタケは隣国の中国へ出荷されて、高値で取引されていたのです。
シイタケの人工栽培が始まったのは江戸時代の初頭とされています。最初は「原木栽培」といって、木材に傷をつけて、そこから自然にシイタケが生えるのを待つ、という手法から始まりました。シイタケが生えてくるかどうかは運任せで、非常に効率の悪いものだったようです。 (現在の原木栽培は、木材に穴をあけ、そこに種菌(シイタケが育つ種のようなもの)を埋め込み栽培しています。)
それからさらに技術が発達し、オガクズでブロック状の「菌床」を作り、そこに種菌を植え付けてハウスで栽培する「菌床栽培」という手法が生まれました。菌床栽培によって、より効率よくシイタケを育てることが可能になったのですね。 原木椎茸と菌床椎茸の大きな違いは、育成時間と環境です。
原木栽培の場合は自然環境の中でシイタケを育てる必要があり、発生から収穫まで1~2年程かかります。また、天候に左右されやすいので、年によって収穫量に差があります。
菌床栽培の場合は、温度や湿度が管理された清潔なハウスの中で育てられています。常に最適な生育環境が整うので、発生から収穫までは約3ヶ月程。ゴミや害虫などが付着しにくく、安定して収穫することができます。
当社では、菌床作りから生シイタケの収穫まで、農薬は一切使用しません。 また、乾燥シイタケには丸い形の「冬菇(どんこ)」と平べったい「香信(こうしん)」の2種類が流通しています。これは収穫する時期の違いで分かれており、シイタケのカサが開き切る前に収穫したものを冬菇と呼びます。 冬菇の方がカサに厚みがあり、歯ごたえがあるのが特徴です。料理や好みによって使い分けてみて下さい。
おせち料理にはもちろん、美味しい煮物などでも活躍する乾燥シイタケですが、近年では乾物の戻し方がわからないという方も増えているように感じます。そこで、乾燥シイタケの戻し方についてご紹介します。
まず、乾燥シイタケは、必ず冷水を使って戻します。早く戻るからと言ってお湯やレンジなどで戻すのは、シイタケの旨み成分を破壊してしまいますので、あまりおすすめできません。
戻し時間は1~2時間という方も多いかと思いますが、じっくり時間をかけて戻せばより旨みが増します。そこで、乾燥シイタケがひたひたになるまでたっぷり冷水を入れて、一晩冷蔵庫に入れて戻す、という方法がおすすめです。
また、シイタケを水戻しした際にできる茶色い戻し汁には、シイタケの旨み成分がたっぷり凝縮されています。美味しいダシになりますので、戻し汁は捨てずに料理に使ってください。
乾燥シイタケは、天日干しにすることで旨みが増し、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防効果も期待できる「ビタミンD」の量が増加します。当社では、あえて手間隙かけて、天日干しのシイタケを学校給食等にご提供しております。
市販の乾燥シイタケを購入した場合も、調理する前にカサの裏側のヒダの部分を上にして1~2時間日光に当てることで、ビタミンDの量を増加させることができます。
①軽く水洗いしてから、たっぷりの冷水に乾燥シイタケを浸す。
②冷蔵庫に入れて、一晩水に浸けて戻す。
※水で戻す前に1~2時間日光に当てても良い。
※カットすると、戻るのが早くなります。
もうすぐお正月ということで、黒豆、昆布巻き、シイタケの旨煮、天日干しシイタケ(ホール)のきのこらむ特製「お正月セット」を、10名の方にプレゼントいたします。(応募は終了しました)
おせち料理の代表で、祝い肴の一つ。「まめ(真面目)」に働いて、「まめ(体が健康である様子)」に暮らせるように、との無病息災の願いが込められています。
喜ぶ(よろこぶ)や、養老昆布(よろこぶ)の語呂合わせから、不老長寿の意味も込められたお祝に欠かせない縁起の良い食材です。
スライスされている、食べやすい旨煮です。おせち料理にはもちろん、ご飯のお供としても。
当社で育てた菌床栽培シイタケを使った乾燥シイタケです。先程のレシピを使い、陣笠椎茸にしてお召し上がりください。
また、今回紹介した商品は三宝産業のウェブサイトからも購入することができます。こちらもぜひご利用ください。
≫三宝産業のサイトはこちら。