2015年04月14日放送
このコラムは月に1回更新で、「きのこ」に関する話題をお届けしていきます。主に、岡山シティFM「Radio MOMO(レディオモモ)」お昼の生放送の中にある「健康いきいきメモ」というコーナーで放送したお話のまとめと補足、そして音声では伝わりにくい情報を、写真やイラストと一緒にわかりやすく紹介していきます。
皆さんはきのこ(茸)に関してどのくらいご存知ですか?きのこは種類も豊富で、調理方法も炒めたり煮込んだりと料理の幅が広いので、家庭でも使いやすい食材ですよね。実はきのこには、美味しいだけではなく、栄養過多・肥満・生活習慣病などに陥りやすい現代人に嬉しい栄養がたっぷり含まれているのです。
体内でカルシウム代謝に重要な役割を果たす「ビタミンD」を多く含んでおり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防効果が期待できます。ビタミンDは、特に天日干しした乾燥シイタケに豊富に含まれています。
きのこは低カロリーな食材で、しかもビタミンやミネラルが豊富に含まれています。料理にたくさん取り入れると、健康的で美しいダイエット効果が期待できます。
便秘は体に悪影響を与える物質を体内に溜めている状態。長引けば肌荒れや病気につながるとも考えられています。きのこには食物繊維が豊富に含まれており、そんな便秘の予防に効果があります。
きのこの中でも、シイタケに含まれる「エリタデニン」という特有成分には、血中の悪玉(LDL)コレステロール値を下げ、血流をスムーズにして血圧を低下させる効果があります。
きのこ類に含まれる「多糖類(ベータ‐グルカン)」には、免疫の活性力を高めてウイルスに対する抵抗力を上げる効果や、がんの増殖を抑えたり、弱らせたりする効果が期待できるものもあります。
いかがでしたか?「キノコにこんなに栄養があったんだ!」と驚いた方も多いのではないでしょうか。次回からキノコの美味しい食べ方や性質等についてもご紹介していきたいと思います。コラム第一回目では、手前味噌で恐縮ですが、弊社で製造している岡山県産のキノコについてご紹介します。
私達は、キノコの栽培や健康、そして食育に取り組んでいます。キノコづくりのコンセプトはズバリ、「食・健康(美)・機能」。岡山県玉野市の玉原と長尾というところで、毎日丹念に、生シイタケと生キクラゲを栽培しています。
キノコづくりは、大きく分けて「原木栽培」と「菌床(きんしょう)栽培」の2種類に分かれており、当社では菌床栽培を採用しています。菌床栽培では、木屑(きくず)と栄養成分を混ぜて固め、四角いブロック状の土台(菌床)を作ります。そしてそこにキノコの種を植え、温度や湿度の環境の整ったハウスで栽培を行います。菌床を作る際の木屑の配合は当社オリジナルで、キノコがより成長しやすくなるよう、工夫を凝らしています。
菌床作りに欠かせない木屑は、岡山県と四国から集め、産地証明ができるものを使用しています。実はキノコの栽培や収穫作業の殆どは人間が手作業で行っており、50~60名の社員が交代しながら毎日丹念にキノコの世話をしています。昔ながらの原木栽培との違いは、土台の材料を厳選し、種菌の植え付けから、育てる環境まで全てを管理・記録(トレーサビリティ)していることです。情報は365日、常に管理されており、高品質のキノコを安定した数量で、季節を問わず提供することができます。また、安心で安全なものを食べてもらえるように注意を払い、キノコを育てる際に、農薬は一切使用しません。
昭和63年から玉野市で始まったキノコ作りですが、浅野産業株式会社自体のメイン事業は、LPガスの販売です。今まで行った事が無い異業種への挑戦であり、0からのスタートでした。近年では生シイタケの生産量は年間250トンと、中国5県の中では第3位にまで成長し、ありがたいことに外部から取材の依頼を受けることも増えてきました(平成25年8月29日放送、NHK岡山放送局「岡山ニュース もぎたて!」の特集「木質バイオマスと呼ばれる素材を使った商品開発」など)。 キノコ工場の見学依頼も多くなり、一昨年は岡山大学本部の研究推進産学官連携機構の依頼で工場見学会(岡山大学MOT見学会)を行い、平成25年には岡山県備前県民局主催で、「大人の社会見学ツアー」としてキノコづくりの工場見学と生シイタケの収穫体験を開催しました。
さらに、毎年地元玉野市の市民イベントとして、みやま公園のお祭りで、生シイタケの詰め放題を出店しています。参加者の方には毎年好評で、本年度も秋祭りの頃に出店するので、皆さん是非ご参加ください。
今回はご挨拶も兼ねて当社の紹介が多くなりましたが、次回は国産では珍しい、生キクラゲについて、ご紹介する予定です。どうぞよろしくお願いします。
浅野産業株式会社 総合研究所 所長 FM
食への取り組みは、昭和63年岡山県玉野市で「アサノバイオ研究所」として始まりました。当初LPガスを中心に業務を行っていた弊社にとっては、全く新しい分野への挑戦であり、試行錯誤の連続でした。キノコは一般に「健康に良い」と言われています。総合研究所では、その成分や役割を明らかにし、機能性食品等について開発を行っています。また、生産の効率化や品質管理も担っており、研究所が食品事業部(キノコの生産・販売を行っている部署)と一体となって活動しています。このコラムでは、弊社の取り組みや、キノコを通じて、皆さんの食生活を振り返るきっかけをご提供できればと思います。よろしくお願いします。
会社名:浅野産業株式会社 総合研究所
所在地:〒706-0014 岡山県玉野市玉原3-20-6
電話:0863-31-0180 Fax:0863-32-3001
本店所在地:岡山市北区南中央町12-16
代表者:代表取締役社長 浅野益弘
主な事業:LPガスと機器販売、設備工事、リフォーム、IT、教育、食品、研究所(グループ含む)
明治元年に燃料部門を開設(江戸時代は醸造業を営む)。現在は主に岡山県とその周辺地域へLPガスを供給しており、業界ではLPガスの販売数量が岡山県でNo.1。食品事業部では、シイタケおよびキクラゲを工場で栽培しており、生シイタケの生産量は年間250トンと中国地方では第3位。毎日収穫している新鮮な生シイタケは、主に大阪から中国地方、博多へ出荷。乾燥キクラゲおよび天日干しのシイタケも生産・販売している。また、自社キノコを原材料とした、「ばらずしの素」などの加工・健康食品の製造及び販売も行っている。